私は、司法書士、税理士、経営コンサルタントとの仲間とで、「笑顔相続の作り方」というセミナーを開催しています。次回は、6月12日(土)に豊明市文化会館で開催します。

 笑顔相続の言葉には、「相続」が、よく言われるような「争族」になって欲しくないという思いがこもっています。相続で争い始めますと、兄弟間での親交が断絶してしまうことが多いですし、それだけでなく仲の良かった従兄弟同士までもが争っている親の影響で不仲になってしまいますが、こうした結果は本当に残念です。

そこで、このセミナーでは、相続による争いを予防するにはどうすればよいのだろうかということを皆さんと一緒に考えています。

 セミナーでお話しすることですが、笑顔相続にするにもっとも有効な方策は相続人の方々が、他の共同相続人の立場を尊重するということです。お互いに譲歩する気持ちがあれば争うにはならないですよね。

 逆に、「争族」になる事案は、はじめから相続人が自分の相続分、すなわち、相続するであろう遺産の内容を決めてしまっていることが多いですね。そうすると、どうしても譲歩することもできず、お互いに自分の相続分を主張し合うことになってしまいます。

 ただ、共同相続人の皆さんには、それぞれの事情があり、また、それぞれ相続に対する思いがあるわけですので、そう簡単に譲歩することはできないということもわかります。

 そうなってくると、次に大切なのが、相手方を納得(説得)させられるだけの根拠を用意するということです。簡単に言えば、裁判をやったら、絶対に負けないよという根拠があれば、相手方も無駄に争うことはしないでしょう。ですので、自分の主張を通すためには、確固たる根拠を示していくことが大切となっていきます。

 もっとも、この確固たる根拠(証拠)というものが、なかなか存在しないのが現実です。